感動で涙がこぼれました
夢を求め夢に生きた人々の言葉
誰もが歌ったことがあるあの歌に込められた思いとは?
現在、「Sweet Dreams(おやすみなさい、いい夢を)」という動画をYouTubeにて毎日配信しています。これは夢に生きる偉人・有名人たちの名言・格言をその誕生日に紹介し、毎日21時に配信するとうもの。2018年4月18日に紹介したのはディズニーアニメ「ファンタジア」の演奏を担当した指揮者、レオポルド・ストコフスキーでした。
そして同じく4月18日が誕生日である有名人に、詩人の「大木 惇夫」がいます。今日は動画番組「Sweet Dreams」で紹介できなかった大木敦夫氏について書こうと思います。
なぜ彼について知る必要があるのか
短い動画では描き切れない、大きなメッセージを残してくれた大木敦夫氏について、今多くの方に知っていただく必要があると感じたからです。誰もが学生時代に歌ったことがある有名な合唱曲に込められた強い思いを知り、現代に生きるわたしたちへのメッセージであると感じたからです。
大木敦夫とは
大木敦夫(おおき あつお) 1895年(明治28年)4月18日広島県生まれ。詩人・翻訳者・作詞家。1942年に出版された詩集『戦友別盃の歌』が戦争文学の最高峰ともいわれ、軍歌・愛国詩を多く手掛けた。戦後は「戦争協力者」とみなされ文壇から姿を隠し、校歌・社歌などを制作していた。
出典:ウィキペディア
合唱曲「大地讃頌」の作詞は大木敦夫
ははな~る~だいち~の~…で始まる合唱曲、多くの方が歌ったことあると思います。この合唱曲「大地讃頌(だいちさんしょう)」は大木氏の作詞によるもの。学生時代は意味もよく理解せず歌っていましたが、実は深い深~い意味があるのです。
「大地讃頌」は混声合唱とオーケストラのためのカンタータ『土の歌』の一部です。大地の素晴らしさと、大地を汚してきた人間の愚かさが強いメッセージとしてうたわれています。第1楽章から第7楽章までの構成となり、「大地讃頌」はその最後の第7楽章です。
第一楽章「農夫と土」
月・星・花など美しい自然と四季、命をはぐくむ土・種子の神秘をうたっている。
第二楽章「祖国の土」
ふるさとの山・土を踏みしめ、寝転び、歩く。全身で大地を感じる、行進曲のような楽章。
第三楽章「死の灰」
原爆投下により尊い命が消え、悲しみ・恐れに覆われている。人間の愚かさがテーマ。
第四楽章「もぐらもち」
地下に住処を求める愚かな人間をモグラに例え、皮肉っている。
第五楽章「天地の怒り」
地上の人間悪を戒めるように洪水・噴火など天変地異が起こる。
第六楽章「地上の祈り」
自然・大地の美しさを感じ、人間の争い・狂気を反省して祈り、自然に感謝する楽章。
第七楽章「大地讃頌(だいちさんしょう)」
大地とともに我々は生きている。大地を愛し、感謝し平和をかみしめてたたえる。
出兵したこと、愛国心をあおる詩をかいたこと、故郷の広島に原爆が投下されたこと、戦争協力者とののしられたこと...すべてを経験した大木氏だからこそ、この詩に込めた「平和・大地の尊さ」への思いと「人間がいかに愚かであるか」の怒りは計り知れないものがあるでしょう。広島の平和記念公園には、彼の詩「平和を祈り 御霊を鎮めん」があります。
私達が食べるものはすべて土からできていますし、鉱物や石油などの必要な資源も土から採掘されています。「そんなことは当たり前」と今までさほど気にもしていませんでしたが、第一楽章からのテーマを読み、再度合唱曲を聞いてなんだか涙がこぼれてきました。
YouTubeより
東日本大震災や熊本地震、原子力発電所の放射能汚染、土砂災害や火山の噴火…「土の歌」の詩が現代社会に警鐘を鳴らしているように思えてなりません。このカンタータが作曲された1962年から半世紀すぎた私達は今何ができるのか、今一度考えたいと思い今回の記事を書きました。
大きなことはできませんが…まずは命を育んでくれる土へ、地球へ感謝したいと思います。
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